命題8

命題8

 

 

直角三角形において、垂線が直角から底辺に引かれるならば、垂線に接する三角形は全体にも互いにも相似である。

 

ABCを∠BACが直角である直角三角形とし、ADAからBCに引いた垂線とする。

 

DABDACのそれぞれが全体ABCと相似であり、さらに、それらが互いに相似であることをいう。

 

BACが∠BDAと、それぞれが直角であるために等しく、そして∠Bは2つのABCDBAにおいて共通であるから、それゆえに余りの∠ACBは余りの∠DABと等しい。それゆえにABCDBAと対応する角が等しい。propositionT.32

 

それゆえにABCにおいて直角に対応するBCは、DBAにおいて直角に対応しているBAに対し、同じようにABCにおいて∠Cに対応しているABは、DBAにおいて等しい∠BADに対応しているDBに対し、そしてまた同じように、2つの三角形において共通である∠Bに対応しているACDAに対する。              propositionY.4

 

それゆえにABCDBAと対応している角が等しく、そして等しい角のまわりに比例している辺を持つ。

 

それゆえにABCDBAと相似である。definitionY.1

 

同じ方法でDACもまたABCと相似であることを証明できる。それゆえにDBADACのそれぞれは全体ABCと相似である。

 

次にDBADACが互いにもまた相似であることを言う。

 

直角BDAは直角ADCと等しく、そしてさらに∠DABが∠Cと等しいことは証明されたから、それゆえに余りの∠Bもまた余りの∠DACと等しい。それゆえにDBAADCと対応する角が等しい。propositionT.32

 

それゆえにDBAにおいて∠DABに対応しているBDは、DACにおいて∠BADと等しい∠Cに対応しているADに対し、同じようにDBAにおいて∠Bに対応しているADは、DACにおいて∠Bと等しい∠DACに対応しているCDに対し、そしてまた同じように直角に対する辺BAACに対する。それゆえにDBADACと相似である。propositionY.4definitionY.1

 

それゆえに、直角三角形において、垂線が直角から底辺に引かれるならば、垂線に接する三角形は全体にも互いにも相似である。

 

                                  証明終了

 

 

 

 

このことから、直角三角形において垂線が直角から底辺に引かれるならば、引かれた直線は底辺の部分の中間で比例している。

 

 

 

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